digital 千里眼 @abp_jp

アナログな日常とデジタルの接点

信用収縮で「現場で起こっていること」が書かれている貴重な記事

経営者以外に実感のない信用収縮の恐怖

黒字倒産貸し剥がしがなぜ起こるのか理解できるようになる(かもしれない)

  • http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/189e9dbfc5bd7463311b76eca58be621/
    • ゆうちょ銀は巨額の貯金資金の一部をインターバンク市場で日々運用している。その運用資金を自行に振り向けてもらいたい――。そんな深刻な要請をむげにすることもできず、ゆうちょ銀はインターバンク市場での資金取引に応じた。これによって、一部の銀行は資金繰りを何とかすることができた
    • 銀行がインターバンク市場で日銀資金を調達するには、保有国債などの担保を日銀に差し入れる必要がある。ところが外銀などでは国債などの保有額は少なく、担保拠出余力は乏しい。そもそも「担保となる国債を購入するにも円資金が足りない」(外銀)。そこで、ゆうちょ銀などに無担保資金の提供を求めざるをえなくなった
    • コマーシャルペーパー(CP)市場の機能不全だ。結局、同市場からの資金調達が不可能になった大企業、中堅企業が続々と銀行借り入れに押し寄せてきた。その受け手である銀行にとって、インターバンク市場からの資金調達は従来にも増して必要になったものの、肝心要のインターバンク市場が甚だしいダッチロールを繰り返す。金融市場は日照り
    • 銀行系ノンバンクには資金調達を依存する親銀行からこんな電話がかかっていた。「申し訳ないが、インターバンク市場で調達できなかったので、他の銀行に借り入れを申し入れるなど自力で頼む」
    • 2月から3月には一般企業の間で過去に発行した社債の償還が続出。償還資金の手だてが企業の間で必要になり、最近のリストラに伴う資金需要が巨大化することも避けられない。このような企業金融の厳しさは勢い、インターバンク市場における銀行の資金調達拡大という圧力に転じる
  • http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/5026a710026d4a7f6d777f4811f437a8/(2ページ目以降に債務残高の企業別ランキングあり)

要するに銀行の余剰資金が不足している
日本の銀行は高い預金率を何倍にもレバレッジを掛けて貸し付けや運用を行ってきた
ところが、

    1. 金融危機で巨額の貸し倒れや運用割れが起きてしまった(不良資産増大)
    2. 銀行が保有する資産(株や不動産など)価値が下落(優良資産縮小)
    3. 銀行の自己資本比率が急激に悪化。銀行である以上、国際基準の国際決済銀行(BIS)規制値を下回る事態は絶対に避けたい(悪化し続ける自己資本比率を睨んだ綱渡り経営)
    4. 貸し渋り貸し剥がし(リフレイン)

国が銀行に資金を注入して「貸し渋り貸し剥がし」対策をしようにも、銀行は自己資本比率の維持が急務で他の企業のことなど後回しとなってしまっている。やむなく国は(銀行を飛ばして)民間企業に直接資金注入をし始めた...というのが現状だ

銀行が健全化しないと問題が解決しない=前回のバブルと同じ構図

新たに発生した非正規雇用問題は強者が弱者から奪う「いじめ」に近い構図。捨て台詞の「自己責任」などは途上国や独裁国家でよく使われる頻出の「慣用句」だ

世界平均以上の教育を受けた文化・教養人だと「自任」する我々はバブル後いったい何を学んできたのだろうか

皮肉なこと

慎重に議論し時間を掛けた政府の政策より「中川前財務相の失態」のほうが効果的に市場を円安に導いた(何と5円もの円安効果!!)...
これが「自称世界一」で驕った日本の姿