ITpro の記事「Windowsの脆弱性悪用ウイルスが900万台に感染、3割は中国のパソコン」に軽い間違いアリ
内容全体としては悪くありません。去年の暮れに緊急リリースされた脆弱性を狙った攻撃が猛威を振るっているニュースです。日本では海賊版利用者が少なく、かつ Windows Update で自動更新するために必要なインターネットの普及率が高いので被害が猛烈に広まることはないでしょう
記事の間違い
文中に「海賊版をインストールしているパソコンでは、Windowsの自動更新機能を無効にしていることが多い」と書かれていますが、これは間違い
去年のニュース 海賊版XPは壁紙が真っ黒に、MSが一部地域で違法コピー対策強化 を覚えている人もいるかと思いますが、マイクロソフトはOSの不正利用撲滅のため、海賊版利用者に対し段階的に対策を行ってきました。他には例えば
- Windows Update をできなくしたり
- ログイン画面をちょっとの間ロックしてすぐにログインできないようにしたり
- タスクトレイに「あなたは違法コピーOSをつかまされた被害者かもしれません」といったメッセージを一定時間毎に表示したり
などです。これらはユーザーが ON/OFF を切り替えるようなものではなく、マイクロソフトによって行われる強制なのでユーザーが主体的に行っているような書き方「無効にしている」は間違っています。正しくは「(マイクロソフトにより)無効にされている」とすべきです
補足
- Windows Update が利用できない場合は各セキュリティパッチを手動でダウンロードし、1つ1つインストールする必要があるんです
- OSを買えない貧しい国の人はその「手間」の必要性を理解していないことが多いのが現状で...ウィルスが蔓延してしまうわけです
- 見方を変えるとマイクロソフトもウィルス蔓延の「消極的な共犯者」...
- ライセンス認証なしでも Windows Update くらいさせてあげればいいのに
蛇足
なんで不正利用の状況を知っているかというと...以前、不正利用の多い国に住んでいたからです