digital 千里眼 @abp_jp

アナログな日常とデジタルの接点

ノートPCバッテリー駆動時間の測定方法が非現実的な件

現実的じゃない「もち時間」の算出基準

きっかけはこの記事

「バッテリー駆動時間が長く算出されるのは、テストの際に画面の明るさを最大値の20〜30%に抑え、無線機能をオフにし、主要なプロセッサーチップを処理能力の7.5%しか動かさないから」

アメリカの場合でしょう。日本は別規格で測定しているのではと調べてみた

日本の駆動時間測定方法

ざっと現行モデルでNEC・東芝ソニーのノートPCについてカタログを確認してみたところ、駆動時間の測定方法として「JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver1.0)」を採用していることがわかった。それによると

  • 動作時間:(測定法a)+ 測定法b))÷2
  • 測定法a:画面輝度を20cdとしMPEG1の動画ファイルをハードディスクから読み出しながら連続再生する時間を測定
  • 測定法b:LCD輝度最低にてデスクトップ画面の表示を行った状態で放置

日本も現実的じゃない測定方法を採用

通常の液晶モニタで輝度200〜600cdなので、測定方法aの画面輝度20cdって低過ぎ。測定法bみたいな輝度最低を好む人もほとんどいないだろう

[参考]
TCO'03規格における要求輝度は150cd/m2、液晶ディスプレイのエルゴノミック基準を定めたISO13406規格では最低35cd/m2、明るい環境では100cd/m2以上が推奨されている。sRGBの規定でも、CRTディスプレイの輝度は80cd/m2で、液晶ディスプレイもこの基準に沿っている」

つまり、JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver1.0)の正しい解釈は以下の通りだ

    1. 駆動時間の値は駆動時間ではなく、比較の際の比率
    2. カタログスペックの「駆動時間」を通常使用で再現するのには無理がある

JEITAバッテリ動作時間測定法のバージョンアップも必要ですね(Ver1.0 => Ver2.0)